もっと詳しく~病状別の給付金の額~

 

1.病状別の給付金の額の表にある、「発症後あるいは感染後20年経過の場合」について

民法において定められている「除斥期間」という制度により、「不法行為の時」から20年間を経過すると、損害賠償請求権が消滅することとされています。

B型肝炎訴訟では、除斥期間の起算点(「不法行為の時」)については、

  1. 無症候性キャリアの方は、集団予防接種を受けた日(二次感染者については出生時等)、つまり感染した日
  2. 慢性肝炎、肝硬変、肝がんをした方は、その病状が発症した日
  3. 亡くなられた方は、死亡日


となります。

 

2.発症後20年を経過した慢性肝炎の方について

発症から20年を経過した慢性肝炎の方については、「除斥期間」を経過している、つまり、法的請求権が消滅していることを踏まえ、発症から20年を経過していない方と比較して、給付金額が低くなっています。


①慢性肝炎発症後20年を経過し、現在も治療を受けている方・・・300万円

(*現在治療を受けていなくても、過去にインターフェロン治療、バラクルード等のエンテカビル治療等を受けていたことがある方ならOKです

 ②慢性肝炎発症後20年を経過し、①に該当しない方・・・150万円

上記①の対象となるには、以下の(1)または(2)の要件を満たす必要があります。

(1)訴訟提起の日から1年前の日以降に、ALT(GPT)値の異常があること、かつ、その日から6ヶ月以上の間隔をあけた別の時点において、連続して、ALT(GPT)値の異常(基準値との比較)が認められる状態

(2)インターフェロン製剤、核酸アナログ製剤、ステロイドリバウンド療法またはプロパゲルマニウムいずれかの治療歴や医療記録等が認められること

 上記②の、「①に該当しない方」は、上記(1)または(2)のいずれにも該当しない場合に、対象となります。



3.感染後20年経過の無症候性キャリアの方について

無症候性キャリアとは、B型肝炎ウイルスに感染はしていますが、特に症状が現れていない状態のことをいいます。

病状が現れていなくても、今後、慢性肝炎・肝硬変・肝がんへと発展することがあります。

いつ肝炎になるかわからないので、定期的な検査が必要です。

そこで、感染後20年(除斥期間)を経過無症候性キャリアの方については、給付金50万円に加え、以下の政策対応が実施されます。

  • 慢性肝炎等の発症を確認するための定期検査費及び初・再診料(年4回まで)(血液検査、画像検査)
  • 母子感染を防止するためにかかる費用
    (ワクチン、グロブリン投与費用、血液検査費用、初・再診料)
  • 同居家族感染防止のためにかかる費用
    (ワクチン投与費用、血液検査費用)
  • 定期検査手当

和解成立後に、社会保険診療報酬支払基金に給付金を請求する際、併せて請求することにより

  • 特定B型肝炎ウイルス感染者定期検査費等受給者証
  • 定期検査受信票

が、支払基金より交付されます。

これらを、医療機関の窓口で提示することにより、①~④を行った際の窓口負担が不要になります。

 

 

4.給付金の支給対象の拡大

特定B型肝炎特措法の一部を改正する法律案が、平成28年5月13日第190回国会にて可決され、平成28年8月1日から施行されました。

それにより、死亡または発症後20年を経過した、「死亡・肝がん・肝硬変」の方に対する給付金が、法律上新たに位置づけられました。


死亡・肝がん・肝硬変(重度)

 死亡から20年、肝がん・肝硬変(重度)発症から20年を経過した方・・・900万円

肝硬変(軽度)

  1. 肝硬変(軽度)発症から20年を経過し、現に治療を受けている方・・・600万年(*現在治療を受けていなくても、過去にインターフェロン治療、バラクルード等のエンテカビル治療等を受けていたことがある方ならOKです)
  2. 上記以外の方・・・300万円


 

5.肝硬変の軽度と重度の違いとは

肝硬変には軽度と重度があり、それにより給付金額が異なってきます。

  • 病理組織検査にて、肝硬変を診断されている場合。
  • 「医師の診断書、診断を裏付ける診療録、画像検査報告書、血液検査報告書等」により、総合的に肝硬変と認められること。 

重度の肝硬変は、上記を満たし、かつ、以下のいずれかが認められることが必要です。

  1.  90日以上間隔をあけた2時点において、Child-Pugh分類における合計点が10点以上の状態
  2. 肝臓移植を行ったこと

 

Child-Pugh分類

1点

2点

3点

肝性脳症

なし

軽度(Ⅰ・Ⅱ)

昏睡(Ⅲ以上)

腹水

なし

軽度

中程度以上

血清アルブミン値

3.5g/dl超

2.8~3.5g/dl

2.8g/dl未満

プロトロンビン時間

70%超

40~70%

40%未満

血清総ビリルビン値

2mg/dl

2~3mg/dl

3mg/dl超