これからB型肝炎訴訟を起こそうと考えている方へ

どのように提訴へ向けて進めていけばいいか、法律事務所に依頼するべきかなど、B型肝炎給付金を獲得するために必要な、基本的な7つの「カギ」を、このサイトでわかりやすく紹介します。


もくじ

  1. B型肝炎給付金・B型肝炎訴訟とは
  2. 病状別の給付金額の表
  3. B型肝炎給付金を獲得するためのプロセス
  4. 証拠書類の収集の順番
    *母や兄・姉の血液検査結果がキーポイント
  5. 弁護士を頼むべきか、本人で訴訟をやるべきか
  6. 弁護士事務所の選び型
    ①弁護士費用の比較
    ②困難な事案にもトライしてくれるか
  7. 全国弁護団と各法律事務所の弁護士費用の一覧表

 

***B型肝炎のつらさ

***B型肝炎特別措置法が制定されたのは

 

1.B型肝炎給付金・B型肝炎訴訟とは


B型肝炎の給付金とは、集団予防接種での注射器の連続使用(使い回し)が原因で、B型肝炎ウイルスに持続感染した人や、その人から母子感染(父子感染も含む)した人に支払われる、国からの損害賠償金のことです。

国が注射(針だけでなく器も)の使い回しをしないよう厳しく監督すべきであったのに、それをしなかったため、多くの人がB型肝炎に感染し、苦しんでいます。

その損害賠償金です。

B型肝炎訴訟を起こすには、まず、

・自分がB型肝炎であること
・予防接種以外で感染した原因がないこと


の証拠を集めます。

B型肝炎特別措置法では、必ず、B型肝炎訴訟を提起しなければならないことになっています。

B型肝炎訴訟は、国を被告とする国家賠償請求訴訟です。

訴訟上の和解ができれば、病状ごとに定められた給付金を受け取ることができるのです。

(*B型肝炎の患者全員に給付金を支払う制度ではありませんので、ご注意下さい。)

 

給付金が受けられる基本的条件は次のとおりです。

 

集団予防接種で感染した人

  • 生年月日が昭和16年7月2日~昭和63年1月27日までの間
  • 満7才までに予防接種やツベルクリン反応検査を受けたこと
  • B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 予防接種等以外の感染原因がないこと
母子感染した人(父子感染も含む)

  • 母親(父親)が、上記「集団予防接種で感染した人」の条件を満たしていること
  • B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 母子感染(父子感染)以外の感染原因がないこと




2.病状別の給付金の額


病状

給付金額

死亡・肝がん・重度の肝硬変

3600万円

軽度の肝硬変

2500万円

慢性肝炎

1250万円

無症候性キャリア

600万円

病状
(*発症後あるいは感染後20年経過の場合)

給付金額

死亡・肝がん・重度の肝硬変

900万円

治療をしたことのある 軽度の肝硬変

600万円

治療をしていない 軽度の肝硬変

300万円

治療をしたことのある 慢性肝炎
(インターフェロンかバラクルード等)

300万円

治療をしていない 慢性肝炎

150万円

無症候性キャリア

50万円

***弁護士費用の一部として給付金額の4%、その他特別の検査費用が上乗せされます。

カルテの保存期間は、医師法で5年と決められています。

カルテが廃棄されてしまうと、証明できなくなることもあるので、弁護士に相談するのは、早い方がいいです。

詳しくはコチラ

 

3.B型肝炎給付金を獲得するためのプロセス

1.弁護士に相談
2.証拠書類の収集
3.B型肝炎訴訟の提起
4.訴訟上の和解
5.給付金請求 支払い

詳しくはコチラ

 

4.証拠書類の収集の順番
*母や兄・姉の血液検査結果がキーポイント

(ここで、本人とは、一次感染者を指します。)


まず、(a)(b)の証拠を集める。

 

(a)

  • 本人の生年月日の確認
  • 本人のHBs抗原プラス(6ヶ月以上はさんだ2時点で)あるいは、HBc抗体が高力価か

 

(b)

  • 母子感染なら、母親にHBs抗原とHBc抗体の検査をしてもらう
  • 母親死亡なら、生前のHBs抗原の血液検査結果はないか調べる
  • なければ、母親の兄・姉について、生存ならけんさしてもらう。死亡なら、調べる。
    *困難事案(母親死亡、兄姉いないケース)は、別途相談する必要あり




(a)(b)の結果をみて、次に進めるかどうか、第1判断をします。

次の証拠集めに進めないと判断せざるを得ないこともあります。

 

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5.弁護士を頼むべきか、本人で訴訟をやるべきか


弁護士に依頼した方が確実だと思います。

証拠の収集は、簡単ではないからです。

弁護士費用の一部として、国から給付金の4%が支払われるので、弁護士に頼んでも、それほど費用の負担が多くなるわけではないのです。

また医療記録、母子手帳がない時に必要なもの、ジェノタイプの検査結果がない時に必要なものなど、そろえるのにB型肝炎訴訟に詳しい人の知恵が必要となるという点からみても、弁護士に依頼した方が確実です。


6.弁護士事務所の選び方


弁護士費用は、法律事務所によってそれぞれ異なるので、いろいろな法律事務所のホームページを見て、費用を比較してみましょう。

(7.で、表にまとめておりますので、参考にしてみて下さい。)

もちろん費用が安いに越したことはないですが、もうひとつの選び方のポイントは、その法律事務所がB型肝炎訴訟において、難しい事案(困難事案)にも取り組んでくれる事務所か、というのも選び方の大切な基準になると思います。


①弁護士費用の比較

法律事務所の弁護士報酬は、「給付金額の○○%」と示されることが多いです。

そのうち、国から、弁護士費用の一部として給付金額の4%が支払われます。

*例えば、弁護士報酬が給付金額の12%だとしたら、そのうちの4%は国が支払ってくれるので、本人が弁護士報酬として負担するのは、給付金額の実質8%となります。


平均的な相場としては、
「給付金額の8%(実質4%)~12%(実質8%)」程
ですが、無症候性キャリア(給付金額50万円)の場合は、別枠で報酬額を設定している事務所がほとんどです。

 

また、ほとんどの法律事務所が、着手金や相談料、調査費用等は無料としています。


②困難な事案にもトライしてくれるか

「困難事案」とは、例えば、

  1. 自身が長子であって、母親が死亡している場合
  2. 母親も年上の兄姉も死亡している場合
  3. 父や母が、B型の肝がんや肝硬変でだいぶ前に死亡している場合
  4. 残っているカルテや血液検査結果が少なくて、持続感染さえ証明できない場合
  5. 父子感染と思われる場合
  6. 第三次感染の場合などです。また、上記以外に厚労省が報告している「困難事案」は、
  7. 過去に献血等で持続感染(HBs抗原陽性等))を指摘されたものの、当時の医療記録がなく、提訴時には既感染者と診断された例
  8. 過去に通院歴がなく、肝炎・肝がん発祥から死亡まで急性経過をたどった例
  9. 母親の医療記録(含死亡診断書)がない例
  10. 原告の医療記録に母子・家族内感染の疑いのある医療記録が存在する例
  11. B型肝炎母子感染防止事業開始後に母子感染が起こった可能性があるものの、医療記録、母子手帳が確認できない例
  12. 慢性肝炎発祥時の医療記録不存在のため、病状軽快に伴い病態認定困難なキャリア例
  13. 医療記録上、キャリア診断にもかかわらず、厚生労働省所定のB型肝炎ウイルス持続感染者の病態に係る診断書に慢性肝炎として提出される例
  14. 他原因(アルコールや薬剤性肝障害)による慢性肝炎病態を有する非活動性キャリア例
  15. 肝細胞がん以外の原発性肝がん(肝内胆管がん等)例
  16. 肝外病変での死亡例
  17. HCVやHIVとの重複感染例

などがあります。

多くの法律事務所が、B型肝炎訴訟の依頼を受けていますが、その事務所が、上記のような困難事案でも、依頼を受けてくれるのかが、ポイントになると思います。

困難事案は受け入れてくれない法律事務所がほとんどです。

困難事案Q&A

 

 

7.全国弁護団と各法律事務所の弁護士費用の一覧表

(金額の高い方から低い方へ表示しています)

 法律事務所  全国B型肝炎訴訟
○○弁護団
*1
弁護士法人ベリーベスト
法律事務所 
 相談料・着手金  無料 無料 
 弁護士報酬
肝がん~慢性肝炎の場合
 給付金の17%
実質13%
 給付金の
14%+5万円
実質
10%+5万円
 弁護士報酬
無症候性キャリアの場合
 15万円
実質13万円
 12万円
実質10万円
 法律事務所  法律事務所アスコープ 弁護士法人MIRAIO 
 相談料・着手金  無料 無料 
 弁護士報酬
肝がん~慢性肝炎の場合
 給付の
14%
実質10%
 給付金の
12%
実質8%
 弁護士報酬
無症候性キャリアの場合
 12万円
実質10万円
 10万円
実質8万円
 法律事務所  平松剛法律事務所
弁護士法人
アディーレ法律事務所*2 
 相談料・着手金  無料 無料 
 弁護士報酬
肝がん~慢性肝炎の場合
 給付金の12%
実質8%
 給付金の
8%
実質4%
 弁護士報酬
無症候性キャリアの場合
 10万円
実質8万円
 9万円
実質7万円
 法律事務所  弁護士法人法律事務所
オーセンス
*3
弁護士法人サリュ 
 相談料・着手金  無料 無料 
 弁護士報酬
肝がん~慢性肝炎の場合
 給付金の
7%
実質3%
 給付金の6%
実質2%
 弁護士報酬
無症候性キャリアの場合
 15万円
実質13万円
 10万円
実質8万円
 法律事務所  北村法律事務所
*2

 相談料・着手金  無料
 弁護士報酬
肝がん~慢性肝炎の場合
 給付金の6%
実質2%
 弁護士報酬
無症候性キャリアの場合
 10万円
実質8万円

*1 ○○には、全国B型肝炎訴訟弁護団の北海道、東京、北陸、名古屋、大阪、九州弁護団など、各地の名称が入ります。


*2 最低報酬9万円(実質7万円)


*3 給付金150万円の場合、18万円(実質12万円)

***B型肝炎のつらさ

日本において、予防接種の注射器使い回しによってB型肝炎になった方は、約45万人いると厚労省はみています。

B型肝炎は、C型肝炎のように、ウイルスを完全に排除できる薬が、まだ開発されていません。

B型肝炎ウイルスの活動を抑える薬、バラクルードを飲み始めると、身体は楽になるけれど、一生飲み続けないといけません。

また、インターフェロンは副作用が強いといわれています。

B型肝炎は、血液を介してしかうつらないのに、うつると言って差別する人もいます。

B型肝炎の慢性肝炎から急に肝がんになっているケースもあり、常に検査が必要です。

肝臓は沈黙の臓器なので、症状がないからといって安心できません。


B型肝炎かどうか調べたことのない方は、血液検査をしてみて、HBs抗原とHBc抗体を調べてみましょう。

もし、HBs抗原(+)だったら、ぜひ、B型肝炎訴訟を提起することを検討してみて下さい。


***B型肝炎特別措置法が制定されたのは

1989年、5人のB型肝炎患者が原告となって、国を被告として、慰謝料1000万円と、弁護士費用150万円を請求するために、札幌地裁に訴訟を起こしました。

2000年に判決が下りましたが、原告の敗訴でした。

5人の原告は控訴し、2004年、札幌高裁で一部勝訴しました。

敗訴した原告も、国も、上訴し、2006年、最高裁判決がなされました。

1989年から、17年もかかった、大変な訴訟だったのです。

しかし、すぐにB型肝炎特別措置法が制定されたわけではありません。

B型肝炎患者の方700名以上から、集団訴訟が提起され、B型肝炎特別措置法が制定されたのは、2011年、施工されたのが2012年1月13日のことです。

その後、B型肝炎特別措置法ができたことにより、B型肝炎訴訟を起こし、和解ができればB型肝炎給付金がもらえるので、たくさんの人が助かっています。


いかがでしたでしょうか。

厚労省は、B型肝炎訴訟の提訴数が、当初の見込み件数よりも少ないということを認めています。

B型肝炎であることがわかったら、B型肝炎訴訟を提起することを、ぜひお考え下さい。